パワハラ防止法(労働施策総合推進法)の改正により、すべての企業にハラスメント防止措置が義務づけられています。その中で「ハラスメント防止規程を就業規則に入れる必要があるのか?」というご質問を多くいただきます。本記事では法的な位置づけと実務的なポイントを解説します。
Q:ハラスメント防止規程を就業規則に入れる必要はある?
A:結論
結論:法律で「必ず就業規則に規程を入れなければならない」とまでは定められていません。しかし、ハラスメント防止方針を明示し、社員に周知することは義務であり、就業規則に規程を盛り込むことが最も実効性の高い方法です。
背景と法的な位置づけ
- 根拠法令:労働施策総合推進法(パワハラ防止法)
- 企業の義務:方針明示、相談窓口設置、再発防止措置
- 就業規則の役割:社員への周知性が高く、企業防衛にも有効
就業規則に入れるメリット
- ハラスメント防止方針を全社員に周知できる。
- 違反時の懲戒規定との連動が可能。
- 労働局調査や裁判の際に企業の適切な対応を示す証拠となる。
- 従業員の意識向上と予防につながる。
未整備のリスク
- 従業員が相談しづらくなり、問題が放置される。
- ハラスメント発生時に企業側が不利になる。
- 労働局からの是正指導や行政勧告の対象になる。
- 社会的信用の低下や採用への悪影響。
よくあるケース
- 小規模事業者でも就業規則に盛り込むべき?
- 義務はありませんが、トラブル防止のため推奨されます。
- 就業規則以外の方法でも良い?
- 社内規程やガイドラインでも可能ですが、周知性は就業規則が最も高いです。
- 規程を入れなかった場合、罰則はある?
- 直接的な罰則はありませんが、防止措置義務違反と見なされるリスクがあります。
岩根事務所のサポート
岩根事務所では、就業規則へのハラスメント防止規程の組み込み、相談窓口設置、研修実施を含めた包括的な支援を行っています。中小企業の実情に合わせて、法令遵守と職場環境改善の両立をサポートします。
関連FAQ



まとめ
- 法律で義務化されてはいないが、就業規則に盛り込むのが望ましい。
- ハラスメント防止規程は周知性・抑止力・企業防衛につながる。
- 未整備は是正指導・トラブル発生時の不利につながる。