中小企業の経営者や人事担当者から寄せられる相談に「モラハラとパワハラはどう違うのか？」というものがあります。どちらも従業員に精神的なダメージを与える行為ですが、背景や形態が異なります。本記事では、モラハラとパワハラの違いを整理し、企業が取るべき対応について解説します。
Q：モラハラとパワハラの違いは？
A：結論
結論：パワハラは職場での優越的な立場を利用した言動であり、モラハラは立場に関係なく行われる精神的な嫌がらせを指します。つまり、パワハラは職場特有の問題で、モラハラはより広範に発生するハラスメントです。
パワハラの特徴
- 職場における上司と部下など優越的立場を背景に行われる。
- 業務指導を逸脱した叱責や過大な要求。
- 部下を無視したり、隔離するなどの扱い。
- 労働施策総合推進法に基づき企業に防止措置義務がある。
モラハラの特徴
- 立場の優劣に関わらず発生する（同僚・部下から上司への場合もあり）。
- 人格否定や無視、悪口、嫌がらせなど精神的な攻撃。
- 家庭・友人関係など職場外でも起こり得る。
- 法的にはパワハラほど明確に定義されていない。
未対応のリスク
- 従業員のメンタル不調や離職率の増加。
- 企業に対する損害賠償リスク。
- 職場全体の信頼関係の悪化。
- 社会的信用の失墜。
よくあるケース
- 同僚間の嫌がらせはパワハラ？モラハラ？
- 立場の優劣がない場合はモラハラに分類されます。
- 部下から上司への嫌がらせは？
- 上下関係を利用していないため、モラハラとされます。
- 法律上の違いは？
- パワハラは労働施策総合推進法で定義され防止措置義務がある一方、モラハラは明確な法的定義はありません。
岩根事務所のサポート
岩根事務所では、パワハラ・モラハラ防止規程の策定、相談体制の整備、管理職研修などを通じて、職場のハラスメント対策をトータルで支援しています。
関連FAQ
セクハラの定義と具体例を教えてください｜中小企業が理解すべきハラスメント防止知識
カスハラ（カスタマーハラスメント）に会社はどう対応すべき？｜中小企業の実務対応と防止策
アカハラ（アカデミックハラスメント）は企業に関係ありますか？｜中小企業に求められる理解と対応
まとめ
- パワハラ：職場での優越的立場を利用した言動。
- モラハラ：立場に関係なく行われる精神的嫌がらせ。
- 両者とも従業員の健康や職場環境に悪影響を与えるため防止体制整備が必須。