近年、退職代行サービスを利用する従業員が増えています。中小企業にとって突然の連絡は驚きや混乱を招くこともありますが、法的に正しい対応を取ることが重要です。本記事では、退職代行を利用された場合に会社が取るべき実務対応について解説します。
Q:退職代行を使われたら会社はどう対応すべき?
A:結論
結論:退職代行からの連絡であっても、退職意思は有効とされるため、会社は適切に退職手続きを進める必要があります。ただし、代理人の資格や連絡内容を確認し、不当な要求には応じないことが重要です。
退職代行対応の基本フロー
- 退職意思の確認:代行業者からの通知を受け取り、退職意思が本人のものであるか確認。
- 代理人の資格確認:弁護士が対応しているか、一般業者かを区別。
- 必要書類の案内:退職届や返却物(制服・備品など)の提出を依頼。
- 給与・残業代・有給消化:法律に基づいて正しく精算。
- 社会保険・雇用保険手続き:退職日を基に速やかに対応。
注意すべきポイント
- 即日退職:原則2週間の予告期間が必要。即日要求には慎重に対応。
- 未払い残業代請求:代行業者経由で請求がある場合、証拠を確認し正しく対応。
- 有給休暇:退職時に残日数があれば取得権利を認める。
- 損害賠償請求:無断欠勤や突然の退職でも、原則として会社から請求は困難。
未対応のリスク
- 労働審判・訴訟リスク:適切に手続しないと法的トラブルに発展。
- 行政からの是正指導:労基署が介入する可能性。
- 企業イメージの低下:SNS等で不適切対応が拡散される。
よくあるケース
- 一般の退職代行業者からの連絡に応じる必要は?
- 退職意思自体は有効ですが、法律的交渉は弁護士以外はできません。範囲を見極めて対応しましょう。
- 即日退職を求められた場合は?
- 民法上は2週間前予告が原則。業務に支障があれば調整可能です。
- 退職届が提出されないまま手続きしてよい?
- 本人確認のため書面の提出は依頼すべきです。ただし未提出でも退職意思が明確なら無効にはなりません。
岩根事務所のサポート
岩根事務所では、退職代行への対応相談、就業規則整備、未払い賃金トラブルの解決支援を行っています。突然の退職に慌てないための体制づくりを支援します。
関連FAQ


まとめ
- 退職代行からの連絡でも退職意思は有効。
- 代理人の資格・内容を確認し、不当要求は拒否する。
- 法令に基づく退職手続きを進めることが重要。
- 未対応は訴訟・行政指導・信用低下につながる。