試用期間中であれば解雇しやすいと誤解している経営者もいます。しかし、試用期間中であっても労働契約は成立しており、法律上の解雇規制が適用されます。本記事では、試用期間中に解雇できるケースと、その際に注意すべきポイントを解説します。
Q:試用期間中に解雇できるケースは?
A:結論
結論:試用期間中の解雇も客観的合理性と社会的相当性が求められます。能力不足や勤務態度の不良など、明確な理由があり、事前に改善指導を行っても改善されない場合には解雇が認められる可能性があります。
解雇が認められるケース
- 著しい能力不足:業務に必要な基本能力が欠如している。
- 勤務態度の不良:無断欠勤・遅刻の繰り返しなど。
- 経歴詐称:学歴・職歴の重大な虚偽が判明した場合。
- 協調性の欠如:職場秩序を乱し、周囲に悪影響を与える。
実務での注意点
- 就業規則の整備:試用期間に関する規定を明記しておく。
- 改善指導の実施:注意・指導を行い、改善の機会を与える。
- 解雇理由の明示:客観的な証拠(勤務態度記録など)を残す。
- 解雇予告:試用期間中でも30日前予告または予告手当が必要。
未対応のリスク
- 不当解雇と判断:労働審判や裁判で無効とされる。
- 損害賠償請求:解雇が無効とされ賃金支払い命令を受ける。
- 企業イメージ低下:SNSや口コミで「ブラック企業」と拡散。
よくある相談例
- 試用期間中は自由に解雇できるの?
- いいえ。法律上の規制は本採用後と同じで、合理的理由が必要です。
- 試用期間を延長することは可能?
- 就業規則や契約書に定めがあれば可能ですが、合理的理由が必要です。
- 即日解雇はできる?
- 原則はできません。30日前予告または予告手当の支払いが必要です。
岩根事務所のサポート
岩根事務所では、試用期間中の人事対応、解雇リスクのチェック、就業規則の整備をサポートしています。トラブルを未然に防ぎ、公正な採用・人事運営を実現するお手伝いをしています。
関連FAQ



まとめ
- 試用期間中でも解雇規制は適用される。
- 能力不足・態度不良・経歴詐称などが解雇理由となり得る。
- 合理的理由と相当性がなければ不当解雇リスク。
- 改善指導・証拠保存・予告手当が重要な実務対応。