働き方改革関連法により、時間外労働(残業)の上限規制が法律で明確に定められました。違反した場合には、行政指導や罰則の対象となるだけでなく、従業員の健康問題や企業イメージの低下にもつながります。本記事では、中小企業が注意すべき上限規制の内容と違反時の責任を解説します。
Q:時間外労働の上限規制違反で会社が負う責任は?
A:結論
結論:時間外労働の上限を超えて従業員を働かせた場合、労働基準法違反となり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。さらに、労災認定や損害賠償請求に発展するリスクもあります。
時間外労働の上限規制
- 原則:月45時間・年360時間が上限。
- 臨時的特別の事情:年720時間以内、単月100時間未満、複数月平均80時間以内。
- 36協定:上限を守ったうえで労使協定を締結する必要あり。
違反した場合の責任
- 刑事罰:労基法違反として、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金。
- 行政指導:労働基準監督署から是正勧告を受ける。
- 損害賠償:過労死や健康被害が発生した場合、会社が責任を負う。
- 企業イメージの低下:違反事例が公表され、採用や取引に悪影響。
未対応のリスク
- 過労死認定:労災申請で企業責任が問われる。
- 損害賠償請求:遺族や本人からの請求リスク。
- 取引停止:コンプライアンス違反として取引先から契約解除。
よくある相談例
- 上限規制を超えてしまったらどうすべき?
- 速やかに是正し、再発防止策を講じる必要があります。労基署からの指摘に備え、記録を残しましょう。
- 36協定を結んでいれば上限を超えてもよい?
- いいえ。36協定を結んでも法律で定められた上限は超えられません。
- 小規模企業でも規制対象ですか?
- はい。中小企業も含めて全ての企業が対象です。
岩根事務所のサポート
岩根事務所では、36協定の作成・労務管理体制の整備・労働時間管理システム導入の支援を行っています。中小企業が法令遵守を徹底し、労務リスクを回避できるよう伴走します。
関連FAQ


まとめ
- 時間外労働は月45時間・年360時間(原則)が上限。
- 違反すると刑事罰・行政指導・損害賠償のリスク。
- 労務管理体制の整備と記録保存が重要。