有期契約社員を雇用している企業にとって、「契約期間が満了したら雇止めできるのか?」という疑問はよく寄せられるテーマです。しかし、雇止めには法律上の制約があり、無制限に行えるわけではありません。本記事では、有期契約社員の雇止めが認められる範囲と、実務での注意点を解説します。
Q:有期契約社員の雇止めはどこまで可能?
A:結論
結論:有期契約社員であっても、契約更新を繰り返している場合や、契約継続への合理的期待がある場合には、雇止めが無効と判断される可能性があります。雇止めを行うには、合理的理由と社会的相当性が必要です。
雇止めが有効とされるケース
- 契約更新回数が少ない:数回の更新で継続期待が形成されていない。
- 業務終了・欠員補充完了:契約時点で業務終了が明示されていた。
- 勤務態度や能力不足:改善の機会を与えても改善が見られない。
- 経営上の必要:経営状況の悪化による合理的な人員整理。
雇止めが無効とされやすいケース
- 長期にわたり更新を繰り返している:実質的に無期雇用と同様と判断される。
- 更新への合理的期待がある:会社が「今後も更新予定」と発言している場合。
- 突然の雇止め通知:事前説明がなく直前で打ち切る。
- 差別的な理由:性別・年齢など不合理な理由での雇止め。
実務での対応ポイント
- 契約書に明記:契約期間・終了事由を明確に記載。
- 事前通知:契約満了前に更新の有無を伝える。
- 評価記録の保存:勤務態度や能力不足の根拠を残す。
- 無期転換ルールに注意:同一労働契約が通算5年を超えると無期転換申込権が発生。
よくある相談例
- 契約満了を理由に一方的に雇止めできる?
- 契約継続への期待がある場合は無効と判断される可能性があります。
- 更新回数が多いとどうなる?
- 実質的に無期契約とみなされ、解雇と同等の規制が適用されます。
- 雇止めの際に必要な手続きは?
- 契約更新の有無を事前に説明し、書面で通知することが望ましいです。
岩根事務所のサポート
岩根事務所では、有期契約社員の雇止めに関する相談、契約書のチェック、無期転換ルール対応をサポートしています。中小企業が安心して人材運用できるよう実務的なアドバイスを行っています。
関連FAQ


まとめ
- 有期契約社員でも合理的理由なしの雇止めは無効となる。
- 更新回数・期待形成・事前通知が重要な判断要素。
- 契約書の明記・無期転換ルールに留意することが実務ポイント。