給与からの天引きは、会社が従業員に代わって税金や社会保険料を支払う重要な仕組みです。ただし、天引きできる項目は法律で制限があり、誤った取り扱いは労務トラブルにつながります。本記事では、中小企業の経営者・人事担当者が知っておくべき給与天引き項目と注意点を解説します。
Q:給与天引きできる項目は何?
A:結論
結論:給与から天引きできるのは、法令で定められた項目および労使協定に基づく任意項目に限られます。会社が一方的に控除することはできません。
給与天引きできる項目一覧
- 法定控除:所得税、住民税、社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)。
- 労使協定に基づく控除:社宅費、労働組合費、社員旅行積立金など。
- その他:会社と従業員の合意に基づくもの(例:貸付金返済)。
実務での注意点
- 一方的控除の禁止:従業員の同意なしに控除すると違法となる。
- 就業規則・労使協定:任意控除は必ず規程や協定で明文化。
- 差押え対応:裁判所命令による差押えは法令に従って処理。
- トラブル防止:天引き理由・金額を給与明細に明記し、従業員へ周知すること。
よくある相談例
- 社宅費を天引きするにはどうすればよい?
- 就業規則や労使協定で定め、従業員の同意を得る必要があります。
- ミスで多く払った給与を次月控除できますか?
- 原則不可。従業員の同意を得て返還してもらう形をとる必要があります。
- 罰金を天引きすることは可能ですか?
- いいえ。就業規則に定めても労基法第16条で禁止されています。
岩根事務所のサポート
岩根事務所では、中小企業の給与計算・就業規則整備・労務相談をサポートしています。給与天引きの適法性確認から、労務トラブル予防まで幅広く対応いたします。
関連FAQ
まとめ
- 給与天引きは法定控除+労使協定による任意控除のみ可能。
- 従業員の同意なしの一方的控除は違法。
- 給与明細に明記し、透明性を確保することがトラブル防止につながる。
