固定残業代はどのように計算する?|中小企業が守るべき労務管理ポイント

給与制度でよく導入される「固定残業代制度」ですが、計算方法や運用を誤ると未払い残業代のトラブルにつながります。本記事では、固定残業代の計算方法と注意点を、中小企業の経営者・人事担当者向けに整理しました。

Q:固定残業代はどのように計算する?

A:結論

結論:固定残業代は、「基本給 ÷ 所定労働時間 × 割増率 × 固定残業時間数」で計算します。制度導入時には、明確な内訳と上限時間を就業規則・雇用契約に記載することが必須です。

固定残業代の計算方法

  • 基本給:月額の固定賃金(例:200,000円)。
  • 所定労働時間:月160時間と仮定。
  • 時間単価:200,000 ÷ 160 = 1,250円。
  • 割増率:時間外労働は25%、深夜は25%、休日は35%を上乗せ。
  • 固定残業時間数:20時間と設定した場合、1,250円 × 1.25 × 20時間 = 31,250円。
  • 支給額:固定残業代31,250円を基本給に加えて支給。

導入時の注意点

  • 契約書への明記:基本給と固定残業代を明確に区分。
  • 上限時間の設定:固定残業時間を超えた分は別途残業代を支給。
  • 計算根拠の提示:社員に説明できるよう根拠を明示。
  • 最低賃金との関係:固定残業代を含めても、基本給部分が最低賃金を下回らないよう注意。

よくある相談例

固定残業代は何時間まで設定できますか?
法律で上限は明示されていませんが、一般的に月45時間を超える設定はリスクが高いです。
実際の残業がゼロでも支払う必要がありますか?
はい。固定残業代はあくまで「みなし残業」として毎月支払う必要があります。
固定残業代を導入しない方が良いケースは?
残業がほとんど発生しない職場では不要であり、逆に従業員の不信感を招くことがあります。

岩根事務所のサポート

岩根事務所では、中小企業の給与制度設計・固定残業代制度導入を支援しています。労務リスクを回避しつつ、社員に納得感のある制度づくりをご提案します。

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まとめ

  • 固定残業代は時間単価 × 割増率 × 固定残業時間で計算。
  • 契約書・就業規則に明確な区分と上限時間を記載することが必須。
  • 岩根事務所は固定残業代制度の設計・導入支援を行っています。

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