従業員から「未払いの残業代を請求したい」と申し出があった場合、経営者や人事担当者はどのように対応すべきでしょうか。安易に放置すると労基署への申告や訴訟につながる恐れがあります。本記事では、残業代を請求された際の基本的な対応ステップと注意点を解説します。
Q:残業代を請求されたときの対応方法は?
A:結論
結論:残業代請求を受けた場合、労働時間の記録を確認し、法定割増賃金に基づいた正しい計算を行うことが最優先です。不払いが判明した場合は速やかに支払い、再発防止策を講じる必要があります。
対応のステップ
- 労働時間記録を確認:タイムカード、勤怠システム、日報などを精査。
- 法定割増を計算:時間外25%以上、深夜25%以上、休日35%以上。
- 正確な額を算出:誤りのないよう専門家のチェックを受けるのも有効。
- 従業員に説明:算出根拠を示し、誠実に対応。
- 未払い分を支払い:遅延損害金が発生する前に速やかに清算。
実務での注意点
- 記録不備は会社責任:タイムカードがない場合は従業員の主張が認められる可能性大。
- 固定残業代制度:制度があっても超過分の支払いが必要。
- 過去請求:残業代は3年(時効)遡って請求される可能性あり。
- 交渉は冷静に:感情的な対応はトラブルを悪化させる。
未対応のリスク
- 労基署申告:是正勧告や罰則の対象になる。
- 労働審判・裁判:多額の支払い命令や和解金が発生。
- 従業員の信頼失墜:職場のモラル低下や離職につながる。
よくある相談例
- 従業員の自己申告時間は信じなければならない?
- 記録が不十分な場合は認められることが多いため、会社側で正確な記録を残すことが重要です。
- 残業禁止を就業規則に書けば請求されない?
- 実態として残業があれば支払い義務が発生します。
- 残業代を一括で支払うのと分割払いは可能?
- 原則は一括払いが望ましいですが、従業員の合意があれば分割も可能です。
岩根事務所のサポート
岩根事務所では、残業代請求への対応、就業規則・勤怠管理の整備、固定残業代制度の適正運用を支援しています。予防的な労務管理で、トラブルを未然に防ぐお手伝いをいたします。
関連FAQ



まとめ
- 残業代請求は記録確認と正しい計算が基本。
- 未払いがあれば速やかに支払うことが重要。
- 放置は労基署申告・裁判・信頼失墜に直結する。