中小企業の経営者・人事担当者からよく寄せられる質問に「嘱託社員・契約社員の労務管理」があります。正社員と比べて雇用期間や処遇が異なるため、契約や更新時にトラブルが起こりやすい分野です。本記事では、嘱託社員・契約社員を雇用する際の注意点を整理しました。
Q:嘱託社員・契約社員の労務管理で注意すべき点は?
A:結論
結論:嘱託社員・契約社員の労務管理では、契約期間の明確化・更新手続きの適正化・正社員との均衡待遇が重要です。これらを怠ると、不当労働行為や雇止めトラブルに発展するリスクがあります。
法的な位置づけ
- 根拠法令:労働契約法、有期労働契約法、労働基準法。
- 契約社員:有期雇用契約で雇用される社員。
- 嘱託社員:定年後再雇用や専門業務など、特定の条件で雇用されるケースが多い。
実務での注意点
- 契約期間:開始日と終了日を明確に記載する。
- 更新の有無:自動更新か都度更新かを契約書に明示。
- 均等待遇:同一労働同一賃金の観点から、手当や福利厚生に差がある場合は合理性を説明できるようにする。
- 雇止め:更新をしない場合は、合理的な理由を明確にしてトラブル防止を図る。
リスクと注意点
- 契約更新手続きを曖昧にすると、事実上の無期雇用と判断されるリスク。
- 待遇差に合理性がない場合、不合理な格差として違法とされる可能性。
- 高齢者嘱託社員の場合、健康管理や労働条件調整を怠ると安全配慮義務違反となる。
よくあるケース
- 契約社員とパート社員の違いは?
- 契約社員はフルタイム勤務の有期雇用、パートは短時間勤務の雇用が多い点が異なります。
- 嘱託社員の賃金は正社員と同じにすべき?
- 業務内容や責任範囲に応じて決められますが、合理性が求められます。
- 契約社員を正社員登用する際の注意点は?
- 就業規則や登用制度を整備し、基準を明確にしておくと公平性が担保されます。
岩根事務所のサポート
岩根事務所では、嘱託社員・契約社員の労務管理、契約書作成、均等待遇への対応をサポートしています。企業の実情に合わせた契約設計とトラブル予防をご提案します。
関連FAQ

まとめ
- 嘱託社員・契約社員は契約期間・更新方法・均等待遇が重要。
- 更新を曖昧にすると無期雇用扱いとなるリスクがある。
- 待遇差に合理性がない場合、違法と判断される可能性がある。