育児休業を拒否できるケースはありますか?|中小企業の労務管理ポイント

中小企業の経営者・人事担当者からよくいただく質問に「育児休業を会社が拒否できる場合はあるのか?」というものがあります。本記事では、育児休業の申出を企業が拒否できる条件や実務での注意点について整理しました。熊本をはじめ全国対応の岩根事務所が、法的根拠を踏まえて解説します。

Q:育児休業を拒否できるケースはありますか?

A:結論

結論:原則として、育児休業を会社が一方的に拒否することはできません。ただし、労働契約の内容や雇用形態によっては例外的に拒否できるケースが法律で定められています。

拒否できるケース

  • 勤続1年未満:申出時点で継続勤務1年に満たない労働者。
  • 雇用期間が1年以内に終了する:期間の定めがある労働契約で、1年以内に契約が終了することが明らかな場合。
  • 週の所定労働日数が少ない:1週間の所定労働日数が2日以下の労働者。

実務での注意点

  • 拒否できるケースは法律で限定的に定められているため、安易な拒否は労基法違反につながる。
  • 正社員・契約社員・パートなど雇用形態を問わず、条件を満たせば取得可能。
  • 申出があった場合は、必ず書面やシステムで受け付け、対応履歴を残すことが重要。
  • 拒否する場合も、法的根拠に基づいた説明が必要。

よくあるケース

男性社員も育児休業を取れる?
はい。男女問わず、条件を満たせば取得可能です。
契約社員やパートでも育児休業を申請できる?
はい。一定の条件を満たす場合、契約社員やパートも対象となります。
業務の都合を理由に拒否できる?
いいえ。業務の繁忙などを理由に拒否することはできません。

岩根事務所のサポート

岩根事務所では、育児休業制度の整備・運用サポートを行っています。制度設計から従業員への周知まで、中小企業が安心して対応できるようサポートします。

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まとめ

  • 原則として育児休業を会社が拒否することはできない
  • 例外的に「勤続1年未満」「雇用期間が1年以内」「週2日以下勤務」の場合は拒否可能。
  • 安易な拒否は法違反リスクにつながるため、慎重な対応が必要。

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